数理コンサルタントの備忘録

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ベイズの定理とモンティ・ホール問題

昨今、一部界隈では「ベイズの定理」を知っているか否かで、データサイエンティストがホンモノかを見極めているらしい。
ここでは公式の確認と問題例とともに「ベイズの定理」を復習しようと思う。

まずベイズの定理とは、
事象A, 事象Bが発生する確率をそれぞれP(A), P(B)とし、
P(A|B):Bが真であるとき、Aが発生する確率
P(B|A):Aが真であるとき、Bが発生する確率
とした場合、P(A\mid B)={\frac {P(B\mid A)P(A)}{P(B)}}となる公式である。

また、モンティ・ホール問題とは

①、②、③の箱のうち、どれか1つだけに豪華賞品がある。あなたはドア①を選択し、司会者がドア②が開けたとする。
このとき、あなたはドア①のままを選ぶか、ドア③に変更するか?

という問題である。ここで求めたい確率は、

  • ドア②が開いた後に、ドア①に豪華賞品がある確率
  • ドア②が開いた後に、ドア③に豪華賞品がある確率

○解説
[1]ドア①に豪華賞品がある場合
P(A) : ドア②が開く確率 = ドア①が当たり(1/6) +ドア②が当たり(0) +ドア③が当たり(1/3) = 1/2
P(B) : ドア①に豪華賞品がある確率 (事前確率)= 1/3
P(A|B) : ドア①に豪華賞品があった場合に、ドア②を開く確率(条件確率)=1/2
P(B|A) : ドア②が開いた後に、ドア①に豪華賞品がある確率 = P(A|B)*P(B)/P(A) = 1/3 ★ベイズの定理

[2]ドア③に豪華賞品がある場合
P(A) : ドア②が開く確率 = 1/2
P(B) : ドア③に豪華賞品がある確率 (事前確率)= 1/3
P(A|B) : ドア③に豪華賞品があった場合に、ドア②を開く確率(条件確率)=1/1
P(B|A) : ドア②が開いた後に、ドア③に豪華賞品がある確率 = P(A|B)*P(B)/P(A) = 2/3 ★ベイズの定理

[1], [2]より

  • ドア① に豪華賞品がある確率は、1/3
  • ドア③ に豪華賞品がある確率は、2/3

よって、モンティ・ホール問題では、最初に選んだ選択肢を変更する方が、豪華賞品が当たる確率が上がる。